イニエスタに引き上げられた「技術」の感覚
「僕のようなタイプの選手はあまりいません」
6月のコパ・アメリカのメンバーに残るチャンスがあるかどうかとの質問に、西はそう言って肩をすくめた。実際のところ彼が最も心配しているのは、以前から自分を高く評価していた森保監督が招集を決めたとしても、クラブが供出を拒否する可能性があることだ。
「行かせてもらえるかどうかクラブに確認が必要でしょうね。Jリーグの試合もまだありますので」と西は笑顔を見せた。
「もちろん神戸に移籍したばかりでもありますので、神戸でプレーしたい気持ちもあります。両方やりたいですね」
実際のところ、日本で最も成功を収めてきたクラブを離れたが、西は環境の変化を楽しんでいる。日本代表にスムーズに復帰することができたのも、その新たな環境、そして新たにチームメートになったスーパースターたちのおかげでもあると語った。
「凄いですね。(アンドレス・)イニエスタは本当に信じられない選手です」
バルセロナのレジェンドとは、練習後にたびたびサッカーについての会話を楽しんでいるようだ。
「彼と一緒にやっていると、日本代表に来ても、彼より技術のある相手は誰もいないと思えます。技術があるということについての自分の感覚が引き上げられたのは大きいと思います」
森保監督が西の年齢を気にせず、今年の夏にブラジルへ連れて行くことを決めたとすれば、この恐れのなさが非常に頼もしい武器となることは間違いない。今年末に最初のラウンドが行われるカタールワールドカップ予選でもそうかもしれない。その反対のサイドでも、安西が示す熱意は、森保ジャパンが成長の次のステージへと進む上で非常に有望だと感じさせる。
(取材・文:ショーン・キャロル)
【了】