ハメスも称賛。韓国は大きく前に進む
韓国代表はこのゴールを守りぬいた。直前のボリビア戦同様、ベント監督は結果も求めていたからだ。彼は終盤に5バックを選択し、一気にDFの数を増やして守備的なフォーメーションへと切り替えた。
ただ、結果が欲しいのはコロンビア代表もお互い様だ。ファルカオ、ハメス・ロドリゲス、ブラジルリーグで活躍しているジミー・チャラなどを続々投入してくる。ゴールへの熱望をあらわにし、積極的に韓国のゴールを狙った。だが韓国の守護神チョ・ヒョヌがスーパーセーブを連発し、ゴールを許さない。結局韓国が2-1の大金星をあげた。内容、結果ともコロンビアを圧倒していた。
ベント監督も満足げだった。「お互い熾烈かついい試合をした。戦術の変化が相次いだ中、選手たちがよくプレーしてくれた。課題や宿題はどの試合でもある。だが、今日の結果はフェアではないかと思っている」とチームのパフォーマンスを高く評価した。
ハメス・ロドリゲスも「韓国はいいチームで、戦術的によく準備されていた。今日の試合で勝つ資格を持っていたと思っている」と評価。印象に残る選手については「GKがすごくよかった」とチョ・ヒョヌを称えた。
結果は最高。だが、あるくだらないことが一部のファンで批判されることもあった。イ・ガンインやペク・スンホなどの韓国代表デビューが見送られたのだ。彼らはウォームアップすらせず、ベンチにずっと座っていた。
だが、これに対してソン・フンミンが素晴らしい言葉を残した。「若い選手のデビューももちろん重要だが、もっと大切なのはこのチームにいる全員。彼らの成長を焦らないで待つ必要がある。黙々と待っていれば、彼らはいつの間にか成長しているはず」と成熟した姿勢を見せた。
こういうことすら話題になるのが、最近韓国でサッカー人気を取り戻しつつある証拠といえば証拠。この2連勝で、アジアカップでの失敗がまるでなかったかのようになったのは、韓国サッカー界にはポジティブの極みだ。
もちろんベント監督の実験は続く。彼の言う通り課題もたくさん残っているが、韓国は自分たちのアイデンティティを確立しつつある。
(取材・文:キム・ドンヒョン【韓国】)
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