蓋を開けてみたら…韓国、恐るべし
一方の韓国代表はなぜか強気だった。コロンビアのFIFAランキングなど全く気にしていないようで、パウロ・ベント監督も前日の記者会見で「ハメス・ロドリゲス、ファルカオなどいい選手が多いのは知っている。だが、負けてもこれは理由にならない。対応できる方法を探して、いい試合したい。自信を持っている」とコメント。同じポルトガル出身の大先輩に容赦ないパフォーマンスを確約した。
韓国代表はコロンビア戦でベストメンバーを全員投入する。ソン・フンミンとファン・ウィジョが2トップを組み、司令塔には北米MLSでプレーするファン・インボム。両サイドアタッカーはイ・ジェソンやイ・チョンヨンに任せた。守備はガンバ大阪のキム・ヨングォンが主軸。期待を集めた有望株、イ・ガンインやペク・スンホはベンチスタートとなった。
一方のコロンビア代表はファルカオやハメス・ロドリゲスを先発から外した。それでもDFにジェリー・ミナやダビンソン・サンチェスなど大型センターバックを同時起用し、本気度を見せる。
だが、蓋を開けてみると韓国代表がコロンビア代表を圧倒した。ソン・フンミンやファン・ウィジョが前線をかき回し、空いたスペースをイ・ジェソンが有効活用。そしてそこにファン・インボムが絶妙なパスを配給する場面が続く。
そして16分、ソン・フンミンが先制ゴールを奪う。ファン・ウィジョがファン・インボムからもらったボールをキープすると、ソン・フンミンが前線へ抜ける。そのタイミングに合わせ、ファン・ウィジョが巧みなパスを入れると、これをソン・フンミンが巧みにコントロールし、ペナルティエリア内に勝負をかける。ドリブルを魅せると、右足の強烈なシュートでゴールを割った。GKが手を出したが、シュートのスピードが速すぎた。
これがなんと、ソン・フンミンにとって韓国代表で9ヶ月ぶりに味わう得点だった。昨年のロシアワールドカップ・ドイツ戦以来のゴールだ。韓国一の人気者の鮮やかなゴールに、満員になったソウルワールドカップスタジアムが崩壊するかのような振動が轟いた。
試合の内容全般も韓国代表がリードする。中盤でのパスワークはもちろん、守備での堅実さも抜群。そして守備から攻撃に切り替わるスピードがコロンビア代表をはるかに上回った。
そしてソン・フンミンがまたも大活躍。スピードを生かし、裏に抜け出すプレーを何度も披露。そしてファン・ウィジョも大型センターバック2人の間で奮闘した。コンタクトを惜しまないプレーを続ける。D・サンチェスがいなかったら…と韓国の記者席で思わぬ本音も漏れた。
49分に韓国代表は同点ゴールを許すも、その10分後にやり返した。ボールを持ったイ・ジェソンが右サイドでドリブルを仕掛ける。ゴール正面で放ったシュートはGKに弾かれたものの、ゴールに吸い込まれ、再び勝ち越しに成功した。