とことん相性の悪い監督を前に
FIFAランキング12位の強国。ワールドカップの常連国。ハメス・ロドリゲスやラダメル・ファルカオ。
コロンビアのサッカーについて思い浮かぶいくつかの単語を並べてみた。一言でいえばこの国、やはり敵に回すと怖い。
いかに恐るべき相手なのかを説明する必要はないだろう。22日に行われた日本代表との試合がPKで決勝ゴールを挙げたことによる勝利だったとはいえ、韓国代表が主力メンバー同士の対決で完封したのは見事だった。
日本戦が入国して間もないうちに繰り広げられた試合であったならば、26日の韓国戦は彼らも本調子になるはずだった。日本と韓国の時差なく、フライト移動も2時間弱と相当短い。コロンビア代表としては最適なスパーリングパートナーだったのかもしれない。
実際コロンビア代表は入国当日にホテルに着くと、そのまま休息をとった。24日に予定していた練習もキャンセルした。選手たちはソウル中心部で買い物に行ったり、観光に行ったりするなどリラックスした様子。試合前日の25日にようやく始動するも、簡単なウォームアップのみで1時間も経たないうちに練習を切り上げた。これは余裕なのか、それとも真の休息だったのか。
後者に近いのだろう。コロンビア代表は結果を求めていた。それこそ南米のワールドカップと呼ばれるコパ・アメリカの開幕が目の前に迫っている。カルロス・ケイロス新監督の指揮下、2001年以来の王座奪還にチャレンジする立場。大会に至るまでの親善試合の結果も大事になってくるのは当然だ。
イラン代表を率いてアジアを席巻したケイロス監督も、南米の舞台は初めて。手腕を証明しなければならない。だからこそ彼自身の初陣にして、慣れ親しんだこのアジアの舞台で開催される2試合を連勝で飾り、ファンやメディアからの信頼を得たかったはずだ。日本代表には勝っているから、韓国戦さえ乗り越えればミッションは達成できる。
実は韓国にとってケイロスは“鬼”そのものだった。彼が指揮を執ったイラン代表に過去8年間でなんと1分4敗と大きく負け越している。しかも無得点だった。勝った後のケイロスの言動もまた、韓国ファンには気の毒なコメントばかり。チームがコロンビアに変わったといえども、印象がいいわけがない。