フンメルスでは相手攻撃陣を防げなかった可能性も
後半に入って、[4-3-3]から[3-5-2]に変わったオランダ代表の布陣変更に対処し切れず、同点に追い付かれるまでは、去年のNL最終戦と同じ展開だ。しかし、ニャブリもサネも、決して“ガス欠”に陥ることなくピッチに立ち続けた。ニャブリは88分までプレーして、マルコ・ロイスと交代した。
サネはフル出場。90分に持ち前のスプリントでゴール前に走り込み、ダレイ・ブリントとヴィルヒル・ファンダイクを引き付けてスペースを空け、ロイスのマイナスの折り返しを押し込んだシュルツの決勝弾を演出した。
こうしてEURO予選の初戦でオランダ代表に勝利を収めたことで、レーブ監督は一定の手応えを得たようだ。試合後には、次のようなコメントを残している。
「オランダでの開幕戦でこのような勝利は、新しく形作っているチームを信じる助けとなる。このような浮き沈みのあるゲームを体験しなくてはならなかったことは、経験を積む上で重要だ。このような勝利は次の一週間、一ヶ月を助けてくれる。にもかかわらず、私は、我々がさらに仕事しなくてはならないことも知っているよ」
もちろん試合後にロイスがシュルツの決勝点を「ラッキーパンチ」とも形容したように、今回のオランダ代表戦は辛勝だった。相手の布陣変更に対する対応力や、守備の安定など、これから改善すべき点は多い。だが、少なくとも“ビッグ3”の不在は感じさせなかった。
例えばチャンピオンズリーグ決勝トーナメントのラウンド16第2戦、バイエルン対リバプールのパフォーマンスを踏まえると、フンメルスが3バックの中央を務めていたらオランダの攻撃陣をシャットアウトできた、とは言い切れない。
【次ページ】3年後のカタールW杯を見据えた陣容に