「前半にやってきたことが、徐々に効いた」
良くも悪くも公式戦に近いプランニングだった。前半でボールを保持しながら相手の守備を動かし、疲労させて行く。そこから後半にギアを入れて仕留めるという流れだけで見れば、チームとしてポジティブな評価はできなくもない。森保一監督はこう振り返っていた。
「スタートで出てくれた選手たちが、なかなか得点を奪うことができなかったですが、相手の嫌なところにボールを動かしながら、あるいは左右に探りながら、ということをやってくれました」
前半のボール保持率72%という数字が示す通り、ほぼ日本がボールを握る展開の中で左サイドを中心に組み立て、時に右からのクロスや中央からの出し入れを織り交ぜることで、ボリビアのディフェンスを動かしていたことは確かだ。
「そのことで前半の終わりくらいから、相手が疲れてきている様子がうかがえましたし、プレーが切れた時に少しでも休む時間を長くして回復させるようなこともしていました。そこは選手たちが、この試合に臨むにあたって相手の守備が堅い中、どうこじ開けていくのかという部分では、得点以外では狙い通りの戦い方をしてくれた」
そういう流れから「ハーフタイムを挟んで後半、相手が体力的に回復した中で、前半の攻撃に対して慣れてきたところもあり、なかなか相手にダメージ与える攻撃を仕掛けられなかった」と森保監督は振り返るが「前半にやってきたことが、徐々に効いて交代の選手が決めたという展開になった」と語る。
「結果論ですが外から崩すことと、乾がボールを受けて鎌田が決定的な1対1のシーンを作ることができました。そういう部分では、選手たちがどうやって相手の堅い守備をこじ開けるかということは、トライしてくれていたと思っています」