鍵となるアタッカー陣の連動性
ボリビアのビジェガス監督は「ボリビア代表の特徴として挙げられるのは、強固なゴールの守備」と、GKとセンターバックを中心にした守りの堅さをチームの強みに挙げた。日本戦で先発濃厚なGKカルロス・ランペは昨年、名門ボカ・ジュニオルスの控えGKとしてコパ・リベルタドーレス決勝1stレグにベンチ入りした実力の持ち主。
彼とアメリカ生まれのアドリアン・フシーノ、メキシコ1部プエブラで活躍する俊英ルイス・アキンのセンターバックコンビとで形成される守りのトライアングルをいかに攻略するかが、日本にとって勝利の鍵になるだけでなく、前線の選手のアピールポイントにもなるだろう。
日本の前線では鎌田大地を1トップに据え、2列目には乾貴士、香川真司、宇佐美貴史と3人のロシアワールドカップ戦士が並ぶと予想される。乾は「(香川)真司とはずっとやっているし、セレッソ時代もそうですし、代表でも一緒にやったりしているので、まあ感覚的にも非常に合う選手ですし、楽しいので、それを明日も出していければいい」と、盟友とのコンビ再結成に並々ならぬ意欲を燃やしていた。
アジアカップに追加招集されて、大会途中にベティスからアラベスへ移籍。2月以降は新天地で輝きを取り戻して再びチャンスをもらった30歳は、「もしかしたら、アピールできなかったら明日が最後になる可能性もありますし」と危機感も抱くが、「あまりそういうところを考えずに、楽しくやっていきたい」と、あくまで自然体で試合に臨むつもりだ。
大迫勇也や、コロビア戦で存在感を発揮した鈴木武蔵のような前線で体を張れる選手がいない分、テクニックに優れた4人で前線の連係をいかに構築していくか。初めて試される組み合わせなだけに即興性の高いプレーも見られそうだが、もしそこで細かなコンビネーションが機能すれば、組織的な連動に乏しいボリビアの守備陣にとっては大変な脅威になる。
鎌田は「海外の選手ができないような日本らしい距離感でチョンチョンパスを回しながらできる選手がすごくいるし。距離感が近いので、そこらへんはやりやすい」と、初めての日本代表合宿の中でも手応えを感じている様子。
途中出場したコロンビア戦ではあまり効果的に周囲と絡むことができなかったが、「(中盤に)あんまり降りないようにしてるし、真司くんがしっかりキープする。2列目の選手はそういう選手が多いので、そこは十分足りてると思うし。できるだけ前で僕が回して頑張りたい」と、ボリビア戦に向けてプレーのイメージを膨らませていた。