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日本代表 6年前

安西幸輝は「長友さんよりいい」。内田篤人が絶賛する攻撃力。日本代表定着へ、示すべき最終課題

text by 元川悦子 photo by Getty Images

コロンビア戦の1分間で国際試合の厳しさを体感

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内田篤人も安西の攻撃力を絶賛している【写真:Getty Images】

 そういった周囲の力を借りながら、安西らしいダイナミックさを遺憾なく発揮することができれば、日本は3試合ぶりの勝利に近づき、彼自身の存在価値も高まるはず。そういう方向に進むのが理想的である。

 ただ、安西が考えなければならないのは、武器である攻撃力ばかりにフォーカスしないこと。昨年11月のキルギス戦で代表デビュー戦初ゴールを飾った山中がアジアカップ招集見送りになった通り、森保監督は攻守両面のバランス感覚を強く重んじる。それができているから、長友と佐々木は新生ジャパン発足後、コンスタントに呼ばれているのだ。

 内田が語った通り、安西は先輩2人より明らかにアタックの能力も迫力も高いが、守りの方はまだまだ物足りない。格下や同格の相手となら攻撃力だけである程度は行けるかもしれないが、直近の相手・コロンビアやアジアカップ決勝で敗れたカタールのような強豪相手だと計算できる守備力が必要不可欠だ。

 そういう力も備えているということを指揮官に分からせない限り、佐々木超えはもちろんのこと、長友という高い牙城は超えられない。自身の課題をしっかりと認識したうえで、ボリビア戦にのぞむことも安西にとっては重要なテーマと言える。

「(国際試合になると)篤人君が『競技が違う』『サッカーが違う』という話をしていたけど、コロンビア戦に出てその通りだと思った。Jリーグでバンバン活躍して代表に選ばれてもサッカーが違うというのに衝撃を受けたし、フィジカル、スピード感(が優先する)。テクニックというよりは相手はガシャっと背負ってキープして連動してどんどん出てくる。シンプルですけど、それが僕らからしたら怖い。そういうのをどう頭を使いながら対処していくか。そこが大事になってくると思います」

 このように国際試合で戦い抜く難しさを体感している今、安西が国際Aマッチ2戦目で何を見せてくれるのか。代表定着につながるインパクトを残せるのか。そこにフォーカスしながらボリビア戦を見たい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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