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日本代表 6年前

香川真司に向け強く祈りたいこととは? ついに真のリーダーとなる時、理解すべき重責の意味

text by 元川悦子 photo by Getty Images

円熟味を増した新リーダーの姿は見られるか

 そういった先輩が続々と代表を離れた今、香川は楢崎や中澤、中村、あるいは長谷部や本田圭佑(メルボルン)といった人々が代表のために全身全霊を注いできた姿を思い出し、その一挙手一投足を自ら再現しなければいけない。それができるのは、今の森保ジャパンでは香川1人だけだ。30代に突入したということは、そういった重責を担うという意味でもある。そこをエースナンバー10にはしっかりと理解してもらい、ボリビア戦で体現していく必要がある。

 加えて言えば、今回の一戦は平成ラストの日本代表戦でもある。そのゲームが故郷・神戸で行われるというのは何かの因縁かもしれない。「そこは全然考えてなかったですね」と本人は苦笑したが、「もし結果が出たら『平成最後のゴール』ってうまくまとめてくれればいい」とジョークを交えて得点への意欲をにじませた。香川の代表ゴールはロシア大会初戦・コロンビア戦(サランスク)のPK以来ということになるが、どういう形でもいいから目に見える結果はほしいはずだ。

「結局、ゴールを取らないと僕たちは意味がないんでね。そういう局面に立った時にどれだけ呼び込めるか。そこはアピールしたい。ボールが来なかったら強く要求したいですね」と自らが日本を勝利へと導く一発を決める覚悟を持って戦うつもりだ。

 22日のコロンビア戦では中島翔哉のチャレンジの姿勢、ゴールへの貪欲さと積極性が光ったが、香川もスタメンでピッチに立てば自身の強みや特長をより強く押し出しやすい。それを意識する一方で、ベテランなりのメリハリや緩急は必要だ。最前線に鎌田や南野拓実(ザルツブルク)が陣取るのであれば、彼らの勢いを援護射撃する時間帯も必要だろうし、宇佐美や乾に対しても同様だ。

 周囲をフォローし、チームを円滑に動かしながら、肝心な時には自分がゴールに直結する仕事をして異彩を放つ…。そんな円熟味を増した新リーダーが神戸の地で見られれば理想的だ。2012年2月のラトビア戦以来、6年ぶりの地元凱旋試合で、新たな香川真司像を示してくれることを強く祈りたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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