テストはコロンビア戦か。ボリビア戦は勝ちに徹し…
彼以外にもイ・スンウとともにバルセロナの下部組織出身で、かつて指宿洋史が属していたリーガ・エスパニョーラのジローナでプレーするペク・スンホも名を連ねた。ボランチとしていいサイズを持っており、足もとの技術も卓越しているというベント監督からの高い評価があった。そして1年前まで韓国代表の主力MFだったが、昨年5月のリーグ・アン最終節でアキレス腱破裂の大怪我を負ったクォン・チャンフンも復帰を果たした。
明らかに今までとは違うメンバー構成。今度こそ近未来に備えるという覚悟が見受けられた。
気が抜ける話ではあるが、ボリビアは決して強い相手ではない。FIFAランキング60位で日本はもちろん韓国よりも格下の相手だった。数字が全てではないが、この日のボリビアは負けてはいけない相手であることは確かだった。
だがテストをするとなるとその意味合いがガラリと変わる。格下が相手とは言え、Aマッチ経験の少ない選手たちで戦っていたのであれば、多少の免責事項にはなったはずだった。言い換えれば、負けても納得はできたかもしれない。
しかしベント監督は変化より安定を選んだ。
ソン・フンミンは相変わらず先発出場し、他のポジションにも見慣れた選手たちがずらり。期待を集めたキ・ソンヨンのポジションにはには昨年のロシアワールドカップ・ドイツ戦でアシストを記録したチュ・セジョンが入った。怪我明けのクォン・チャンフンがさっそくベストメンバー入りしたが、イ・ガンインとペク・スンホはベンチスタートだった。指揮官は勝ちにこだわっていた。
蓋を開けてみるとボリビアは案の定、特色のないチームだった。中盤の安定性も欠けており、何度も韓国からボールを奪取された。FWのスピードはあるものの、韓国のDFには敵わない。来韓して2日しか経っていないこともあるだろうが、チームとしての能力値には難があった。
しかし韓国としては試合を思うように運べない。ベント監督が勝ちにこだわって組んだフォーメーション、特に前線がうまく機能しなかった。中盤でボールを支配し、縦パスを絶えなく配球する。FWにボールが渡されるも、なかなかバイタルエリアでのチャンスを生かせない。シュート数が前半だけで10本を超えたが、ゴールはゼロだった。