点が線にならない試合
フレンドリーマッチには必ずテストの要素が入る。勝利を目指すのは当然として、選手を試し、コンビネーションを試し、組織的なプレーを試す。そのため、額面どおり評価しにくいのは毎度なのだが、このゲームはとくにそんな試合だった。
アジアカップの主力だった権田修一、吉田麻也、酒井宏樹、長友佑都、原口元気、遠藤航、大迫勇也を招集していない。アジアカップで招集しなかった鈴木武蔵、昌子源、山口蛍、中島翔哉がスタメンに入り、香川真司、小林祐希、鎌田大地、安西幸輝が交代出場している。個々のテストでは予想以上でも以下でもなかった。
中島と香川はキープ力と打開力で違いを示し、攻撃面で最も頼りになる存在であることを示した。冨安健洋はアジアカップに続いて堅守をみせた。ただ、そうした「点」が「線」になっていない。個人の評価はできても、それがチームとしてどうつながっていくのかがわからない。このままの状態ならコパ・アメリカは3試合で終わるだろうが、点が線に結びついてみないと本当のところはよくわからない。
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