公式戦なら最悪の失点
「あの失点だけにフォーカスするべきではない」
A代表で初めてゲームキャプテンを任された柴崎岳がそう指摘するのはPKによる失点にいたる時間帯の流れについてだ。
確かに1つのシーンだけ抜き出せば、セカンドボールからペナルティエリア内で5人に入り込まれた状態で、ゴール左からサパタがシュートに持ち込むとブロックに行った冨安健洋の手に当たってしまった。
しかし、全体的には日本の良い時間帯がコロンビア以上にあった中で、後半10分前から19分のPKまで、10分間は明らかにコロンビアのペースであり、しかも森保一監督がまさに香川真司を投入しようと準備させていたところでの失点という公式戦なら最悪の失点時間だった。
「それまでに前兆はありましたし、急にポンとやられたというよりはジャブのような形から、自分たちの危機察知がもっと及んでいたらなという部分はありきの失点でした」
そう柴崎が振り返るように日本が前半に比べて全体がやや間延びし、しかもコロンビアがシンプルにサイドを使ってきたことで、日本の前からの守備がハマりにくくなっていた状況で、ビジャのクロスをペナルティエリアでファルカオに合わされた(結果はハンドでノーゴールとなったが)あたりからコロンビアに流れを持っていかれた。
そしてケイロス監督は長身FWのサパタを前線に入れて2トップに変更。ハメス・ロドリゲスをトップ下から右サイドハーフに移してサイド攻撃をより明確にしてきた。後半16分にはハメスのサイドチェンジを左のムリエルに送り、ムリエルが室屋を突破してグラウンダーのクロスを折り返すと、そこにハメスが飛び込んできた。