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日本代表 6年前

ほろ苦い形で幕…香川真司は代表復帰戦後、何を語ったのか? 若い世代に取り残されないために

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「あのアウェイの戦いは学ばなきゃいけない」

ラダメル・ファルカオ
「コロンビアは前半あれだけ悪くても後半1点取って勝つ」。香川は相手の戦い方を学ばなければならないと話す【写真:Getty Images】

 強引な突破からゴールをこじ開けた3月10日のコンヤスポル戦のような劇的な幕切れが期待されたものの、日本代表でその役目を果たすのは基本的に中島翔哉であり、香川はチャンスメークが中心になってしまう。そこは本人も消化不良感が残ったはず。いずれにせよ、約9カ月ぶりの日本代表復帰戦、しかも因縁のコロンビアとの再戦はほろ苦い形で幕を閉じた。

「新しい体制になって半年やっているし、アジアカップも戦って、チームとしてのストロングポイントが前半はすごく見えた。だけど90分の中で悪い時間帯というのは絶対にある。そこをどう耐え忍ぶかが大事。でもホームゲームはみんながイケイケになっちゃうところがある。コロンビアは前半あれだけ悪くても後半1点取って勝つ。あのアウェイの戦いは学ばなきゃいけない」と国際Aマッチ96試合目を戦った30歳のベテランMFは神妙な面持ちで語ったが、若いチームはタテヘタテへと急ぎすぎるあまり落ち着きを失いがちだ。

 そこに香川が入ることで緩急やリズムの変化が生まれ、相手を揺さぶることができるのはハッキリしたが、そこからいかにして得点に持ち込むかという最重要課題が残された。それを解決するためにも、エースナンバー10は中島や南野、堂安律ら若手アタッカー陣とより連係を密にし、お互いのよさを引き出し合える関係を短期間で構築していく必要がある。

「若い選手含めてみんな非常にポテンシャルがあると思うし、僕自身もお互いを生かせるようにすること。それが1つのキーになってくる。日本というチームはそこの精度を上げることでより強くなってくる」と香川も連係・連動の重要性を改めて強調していた。小柄でアジリティの高いアタッカー陣の揃う現在の日本代表では、そういった部分を研ぎ澄ませていくしか、攻撃を機能させる術はないだろう。

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