カルロス・ケイロス監督【写真:Getty Images】
【日本 0-1 コロンビア キリンチャレンジカップ2019】
日本代表は22日、キリンチャレンジカップ2019でコロンビア代表と対戦し0-1で敗れた。
ロシアワールドカップでも対戦したコロンビア代表だが、今回のチームの指揮をとっていたのは日本でも馴染みのある人物だった。
先のAFCアジアカップ2019で、日本は準決勝でイラン代表と対戦した。事実上の決勝と呼ばれた一戦で森保ジャパンは真価を発揮。3-0と勝利した。イラン代表を率いていたカルロス・ケイロス氏は大会後、コロンビア代表の監督に就任。約2ヶ月で2度目の日本戦に臨んだ。
ケイロス監督のキャリアは華々しい。マンチェスター・ユナイテッドではアシスタントコーチとしてサー・アレックス・ファーガソン氏を支え、レアル・マドリーやポルトガル代表監督も務めた。これだけ見ると世界屈指の名将に思えるが、実際は少し異なる。
最初の栄光は20世紀終盤。U-20ポルトガル代表を率いてワールドユース(現U-20ワールドカップ)を連覇。マヌエル・ルイ・コスタ、ルイス・フィーゴといった後のスターを擁して頂点に立った。しかし、その後率いた同国A代表では1994年ワールドカップ出場を逃がして解任された。
1996年9月には名古屋グランパスエイト(当時)の監督に就任。名将アーセン・ベンゲル氏の下で2位と躍進したチームを引き継いだが、シーズンを通して指揮した97年は9位に終わっている。
その後、UAE代表や南アフリカ代表を経て2002年にユナイテッドのスタッフとして入閣。ファーガソン氏を支えた功績が評価されたか、マドリーの監督として迎えられるもタイトルを獲得できずに解任された。ちなみに同年、デイビッド・ベッカムがユナイテッドからマドリーへ移籍している。
そして2011年にはイラン代表監督に就任し、長期政権がスタート。同国のサッカー連盟と度々衝突し、辞任したこともあったが約8年に渡って指揮をとった。優勝が期待された先のアジアカップでは準決勝で日本に0-3で敗れ、退任となった。それまで対アジア39戦無敗だったが、国際タイトルを獲得することはできなかった。
大会後には同国のイラン政府と同国サッカー連盟からのサポートがなかったことを告白した。
イラン代表ではロシアワールドカップで価値ある1勝をもたらしたが、監督として勝ち取った国際タイトルはU-20ポルトガル代表時代だけだ。
今回の日本戦は、ケイロス監督にとってコロンビア代表で指揮をとる初めての試合だった。日本に疲れが出た後半にギアを上げて1-0と勝利。初陣を飾った。経験豊富な指導者であることは間違いない。様々なチームから請われてきたのだからパーソナリティも問題ないのだろう。しかし、チームを勝たせられるかどうかは別の話だ。
強豪といわれるクラブや国を率いた時、ケイロスは目立った成果を残せていない。それも事実である。
【了】