ハメスとファルカオが招集された意味
選手もメディアと概ね同じ考えのようだ。先述のバリオスはロシアワールドカップの日本戦にも途中出場したが、「ワールドカップの試合に関係なく、代表戦は全て重要。ピッチに出て、コーチングスタッフが持っているアイディアを示す、新たな機会だと思っている」とコロンビアメディアに語り、ケイロス監督の下での初陣であることを強調するにとどまった。
国民やメディアから期待を集めるケイロス監督は、今年1月のアジアカップまでイラン代表を率いており、コロンビア代表では未知数な部分も多い。アングーロ氏は「メディアは守備的な監督と見ている」と話し、他の記者たちも過去の経験値の高さを称賛していた。
そのうえでアングーロ氏は「過去に率いてきた代表チームでは素晴らしい仕事をしてきた。ポルトガル代表では素晴らしい組織を作っていた。とはいえコロンビアにはファルカオやハメス、他にも今は怪我をしているけれどファン・フェルナンド・キンテロのような強力な個の能力を持つ選手たちがいる。かなりの数のタレントが揃っている中から選手を選べるんだ。いいチームを作ってくれるのではないかと思っている」と現時点での見立てを語っている。
ケイロス監督はこれまで、名古屋グランパスやレアル・マドリーを率いただけでなく、母国ポルトガル代表を2度、他にもUAE代表や南アフリカ代表なども指導してきた。マンチェスター・ユナイテッドでサー・アレックス・ファーガソン監督の副官を務めたことでも有名だ。
カペラ記者は「ケイロス監督は最初の招集でハメスとファルカオを選んだ。これは英断だったと思う」と分析した。理由はシンプルで、「ハメスとファルカオはコロンビアにとって最も重要な選手だから」。新指揮官は彼らが今後もコロンビア代表の軸になっていくという方針を示し、国内でも支持を得ているようだ。
これには「素晴らしい決断だ。ハメスはまだ28歳で、もう1回はワールドカップに出られる。彼はコロンビア最高の選手で、そのうち代表の最多得点者にもなるだろう。ファルカオはもう33歳だが、キャプテンとしてまだまだ多くのものをコロンビア代表にもたらせる。新しいチームを作っていくうえで彼を残しているのは最高の決断だと思う」とアングーロ氏も同意する。
ボウティスタ氏も「ハメスはこれからも多くの試合でプレーするだろうし、より重要な存在になっていくはずだ。そしてもっと成長して、ファルカオの後を継ぐキャプテンになると思う。ハメスの存在はコロンビアにとって重要だ」と、10番を背負うスーパースターへの信頼を強調していた。