「もっとできるはずだった」アジアカップ
そのためにも、アジアカップで直面した「得点力不足」という課題の解決策をいち早く見出さなければならない。堂安は初戦のトルクメニスタン戦で試合を決めるテクニカルな決勝点を叩き出したものの、それ以降は思うようにゴールを奪えず苦しんだ。準々決勝のベトナム戦で決めたPKもVARの助言による判定で与えられた幸運なものであり、大会通して自らの打開力や決定力を見せつけるまでには至らなかった。
「アジアの舞台ではもっとできるはずだった」と本人も計算外の現実に打ちひしがれた部分があっただろう。とりわけ、1-3で苦杯を舐めた決勝のカタール戦で味わった屈辱感は凄まじいものがあったはず。その悔しさを糧にして、苦しい時に結果を残し、チームを勝利へと導く存在に飛躍するきっかけをつかむこと。それが今回の3月シリーズで堂安に課せられた重要テーマになってくる。
「アジアカップの後はもう得点しか考えてないです。ただ、それを考えすぎて、エールディビジの何試合かでは少し壁にぶち当たっているところがあると思う。考えるけど考えすぎないようにするっていうのが一番難しいところで、今はメンタル的にも試行錯誤しながらやってます」と本人も認める通り、2月以降のクラブでのリーグ戦では停滞感が続いている。
アジアカップを終えて堂安が合流した2月10日のフィテッセ戦以降、チームは6戦無敗と一時の低迷から抜け出しつつある。にもかかわらず、彼自身は退場での出場停止も含めて結果が出ていない。
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