アジアカップ不参加の苦汁がどのような変化をもたらすか
10番の行方は20日にハッキリするが、どちらがエースナンバーをつけることになっても、2人はいい相乗効果を発揮してくれるはず。その結果、日本の攻撃を活性化されれば、森保ジャパンはプラスの方向に進むはずだ。
乾とも「似たタイプの左サイドのアタッカー」と位置付けられてきたため、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も西野朗監督も2人を揃ってメンバーに選ぶことはなかった。が、森保監督は中島と乾を併用しながら戦うこともあり得る。実際、乾はアジアカップ後に赴いた新天地・アラベスで右サイドを担っていて、中島と異なるサイドでそれぞれ輝きを放つことも可能だ。
状況次第ではあるが、乾、香川、中島の小柄なアタッカートリオが流動的に2列目を動きながらが攻めを組み立てるような形も考えられる。アジアカップではそういったオプションが足りず、ファイナルでカタールに勝ち切れなかった部分があるだけに、3月2連戦では積極的に違った組み合わせを模索していくべきだ。
いずれにしても、アジアカップ不参加という苦汁をなめた中島翔哉がこの短期間でどのような進化を見せ、日本代表に変化をもたらすのか。そこは非常に興味深い点だ。
欧州トップリーグではなく、あえてカタールという舞台を選んだ決断が正しかったことを示すためにも、コロンビア、ボリビアという南米の強敵相手に彼らしい技術と戦術眼を示す必要がある。
中島が躍動し、攻撃陣も機能すれば、日本代表はカタールに敗れた悔しさを払拭し、新たな一歩を踏み出せる。自分自身がその重要なキーマンであることを、彼には改めて自覚してほしいものだ。
(取材・文:元川悦子)
【了】