タイプの異なるチームでも完封する強さ
当然DFラインの選手間での意識共有も進んでいて「距離感をすごく大事にしている。4人のサイドチェンジに対してのスライドだったり、4人の距離感というのは4人で話し合いながらやっています。そこはコンビネーションがよくなっているのかな」と背番号3は手ごたえを感じていた。
守備陣の個人能力が高いがゆえに、それを頼りに動いてしまい危機を招くこともあった昨年の東京。だが今年は違う姿を見せている。個の強さに加えて連係でも格段の進歩がある。まさに鬼に金棒、守備で苦手なタイプやアラがなくなってきたように見える。
流れるようなコンビネーションの川崎でも、ジョーを始めタレントぞろいの名古屋でも、神の子・フェルナンド・トーレス擁する鳥栖でも、タイプの違うチームを完封できるのは、それだけの理由があるのだろう。さらに、この試合の永井の得点が示すように攻守の切り替えの早さにも磨きがかかり、チームは着実に段階を上がっているように感じられる。
だが選手たちに慢心はない。「やるべきことというのはわかっていますし、それをどれだけ連続してできるか、長い期間継続してできるか、より高いレベルでできるかというところだと思う。まだまだ、ここからじゃないかな」と森重。林は「精度は上がってきているが、1年間継続できるかがうちのチームの課題でもある。これを継続できるようにしたいなと思います」と力を込めた。
(取材・文:下河原基弘)
【了】