GK林のコーチングで高まる連係
試合は名古屋が攻め、守った東京が速攻を仕掛けるという、両者の持ち味が存分に発揮される好ゲームとなった。前半17分にはガブリエル・シャビエル、同45分にはジョーが絶好の位置からシュートを放つも決めきれず。逆に後半9分にはボール奪った東京が、素早い攻守の切り替えからFW永井謙佑が決めて先制した。
その後は同26分とアディショナルタイムにジョーがペナルティーエリア内で決定機を迎えるも、ボールがゴールラインを超えることはなかった。「もちろん危ないシーンもありましたが、最後のところで体をぶつけて枠に飛ばさない対応をDF陣はしてくれたと思います」と長谷川健太監督は守備陣の奮闘に目を細めた。
この試合でも輝きを放った東京の堅守。ジョーにすら負けないDFチャン・ヒョンスと森重の強さなど個人の能力もあるが、それだけではない。
「僕が去年から見た感想をDF陣には伝えているので。1人がDFとして孤立しないようにいくということが、チームとしても大事。去年までは一人がチャレンジして、それに対してカバーする選手がいなかったというのがあった。ただどんな場面でもチャンレジ&カバーが成立するような形をキャンプの時に話し合っていたので」と林が話すように、常に複数の選手がユニットとして連動し、守るように徹底されたことが守備力のさらなる向上をもたらした。
「DF陣がかなり緻密にポジション修正してくれたりとか、守備としての役割というのはキャンプからやってきて、すごい精度は上がっています」と守護神は胸を張った。
「(林)彰洋を中心に、後ろから一番見えているGKが、話しながら、結構細かく指示してくれて、それを練習中からすり合わせていくという作業はできていると思います」と話すのは森重。林からのコーチングも得て、ただでさえ強かった守備は、強度を増している。