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Jリーグ 6年前

久保建英は、なぜ誰よりも遅れて出てきたのか? 試合ごとに高まる「覚醒する逸材の目標」

text by 藤江直人 photo by Getty Images

日本代表・森保一監督も込める期待

 昨年はU-21代表として活動した、東京五輪世代の中核を成すチームへ、久保が初めて招集されたのは昨年11月の中東遠征だった。公式戦となる今回も名前を連ねたことは、56年ぶりの自国開催となるヒノキ舞台に立つ争いへ、いよいよ久保も本格的に参戦していくことを意味する。

 昨シーズンのFC東京では4試合、わずか58分間の出場に終わった久保は、8月に横浜F・マリノスへ期限付き移籍。待望のJ1初ゴールを決めるも、新天地でも最終的には5試合、160分間のプレー時間に終わった。翻って今シーズンの出場時間は309分間と、すでに昨シーズンを大きく上回っている。

「今日も何回か自分でボールを奪い、前へもっていくシーンがありましたけど、そのときにもっと加速力というか、もっと斜めへ、相手の嫌なところへ入っていければいいかなと思いました」

 まだまだ通過点とばかりに、久保はグランパス戦後に前を見すえている。力強さを増し、コンタクトしてもピッチに転ばなくなったパフォーマンスの変化を含めて、身長173cm体重67kgの自身の体に生じている変化を、久保はこんな言葉で表したことがある。

「ボールキープに関してはもともと自信がありますし、スプリント回数などに関してはFC東京で培ってきて、一度横浜F・マリノスへ行っていろいろなものを得て、時間の経過とともに徐々に体力がついてきたと実感しています」

 グランパス戦を視察した、U-22代表監督を兼ねるA代表の森保一監督は、昨シーズンまでとは別人に映る久保のパフォーマンスに、期待を込めながらこう言及している。

「(FC東京の)長谷川監督は成長を見極めながら起用している、という印象を受けます。それでもまだ完成されていないというか、もっと体も強くなってくるだろうし、まだまだ成長すると思っています」

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