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日本代表 6年前

畠中槙之輔とは何者なのか? J1通算9試合で日本代表初招集…新世代CBが誇る攻撃力の秘密

text by 舩木渉 photo by Getty Images

チームメイトも絶賛する特別な能力

 チームメイトたちは畠中の特徴や能力が、すでにマリノスに欠かせないものになっていると語る。昨年日本代表として経験を積んだ天野純は、「僕は本当に何年かけて入ったのか…」と冗談めかしながら後輩のポテンシャルに太鼓判を押す。

「もちろん守備でも体は強いですし、頭がいいので、そこまで激しい当たりでボールを奪うわけではなく、ラインコントロールだったり、最初の読みでインターセプトできるので、それは本当にデカい。一番はビルドアップでの貢献度がすごく高いので、俺が余計に落ちなくていいし、なるべく高い位置でプレーできているのはシン(畠中)が俺の後ろにいるからできているので、ありがたいです。もし彼がいなくなったら結構デカいし、代えの利かないタイプのセンターバック。他のチームを探してもチームに1人いるかいないかのタイプなのかなと思います」

 畠中の卓越したパスセンスには目を見張るものがある。毎試合50本以上パスを出し、成功率も90%前後と高い。さらに前線の選手に通す地を這うような高速パスは、攻撃を一気に前進させる武器として常に相手の脅威になっている。プレッシャーを受けていても冷静に効果的なパスを供給できる23歳と「考え方が似ている」というマリノスのGK飯倉大樹も、その影響力の大きさを実感している1人だ。

「シンの一番のストロングポイントは、1対1も強いんだけど、見ているところがいい。パスコース。左も右も蹴れるし、うちのセンターバックの中では一番パスセンスが高いから、シンがあそこに入ることで、相手がプレスをかけてきても、ある程度落ち着いてボールを捌けるし、それによって前に比重をかけられる。

シンとはわりかしサッカーの話をしても同じ考えというか、縦パスを入れるところとか、見ているところとか、狙いたいところが一致する。もし俺が(直接)出せなくてもシンからだったら出せるなら、俺はまずシンに(パスを)出すというのを結構やっている。意思疎通というか、攻撃のバリエーションだったり考え方が似ているからやりやすいね。相手の裏をかいたパスを出してくれるから、受けた後が楽。そういう効果は絶対にあると思う」

 畠中が「こだわっている」と胸を張る前線への楔のパスや、縦パスには際立った特徴がある。ボールを受けて顔を上げたら、まずFWの立ち位置から順に中盤や最終ラインの選手たちの情報を瞬時に把握し、次のアクションにつなげる。

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