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セリエA 6年前

インテルが仕掛けた絶妙な「罠」。ミラノダービーに懸ける想い、勝利で証明した真の強さ

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

EL敗退のショックを引きずらず

インテル
インテルはミランに2点を返されるも3-2で逃げ切り勝利。ここから調子を上げてくるかもしれない【写真:Getty Images】

 ミランの攻撃を影ながらサポートするケシエを消し、バカヨコの攻撃参加を呼び込んでベシーノを生かすインテルの罠は絶妙だった。結果論になってしまうが、ここが勝敗のポイントを分けたと言っても過言ではない。

 攻守両面でミランを上回ったインテルは後半も試合の主導権を握る。そして51分、ショートコーナーからマッテオ・ポリターノがクロスを送ると、最後はステファン・デ・フライがヘディングでゴールへ流し込み、2-0とした。

 その後、インテルはFKからバカヨコにゴールネットを揺らされ、1点を返された。それでも冷静さを失わず、相手にペースを渡さない素晴らしい試合運びを見せた。

 67分にはポリターノがペナルティエリア内で倒されPKを獲得。これをL・マルティネスが冷静に流し込んで3-1と再びリードを2点に広げた。

 ミランはサム・カスティジェホやパトリック・クトローネを投入するなど反撃に出る。しかし、流れのなかから得点の匂いを感じることはできなかった。71分にはCKからマテオ・ムサッキオが1点を返すも、反撃はここまで。戦前の予想では不利と見られていたインテルが、2失点は喫したものの見ごたえのあるゲームを披露し、勝ち点3を奪った。

 イカルディの件やEL敗退のショックを引きずらず、ミランの連勝を『5』で止めたインテル。やはりミラノダービーに懸ける想いは強いのだろう。この日のパフォーマンスは、ネラッズーリの真の強さを証明する形となった。

 試合後、チームを勝利に導いたルチアーノ・スパレッティ監督は「木曜日(EL・フランクフルト戦)のことは忘れたよ」とコメントしたと言う。まさに、ここからはリーグ戦に集中し、CL出場権獲得へ尽力するべきだろう。この勝利を糧に、チームはさらに調子を上げてくるかもしれない。

(文:小澤祐作)

【了】

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