「スールシャールは適任者のひとり」
「なんでスールシャールなんですか!? ビッグクラブの監督を務めた経験がないのに、ユナイテッドのボスになれるわけないですよ。しかもモウリーニョの後釜でしょ。ジダンとかブランとか、やっぱりビッグネームを招聘すべきですよ、絶対に!!」
昨年末、同じ業界で働く彼は一気にまくし立てた(記憶がある)。二匹の猫と暮らしている私を「猫アレルギーなのに」と笑うほどデリカシーのない人間だから、放っておいてもよかったのだろう。しかし、オレ・グンナー・スールシャール監督を軽視する発言にカチンと来た私は、こうやり返した(記憶がある)。
「モイーズ、ファンハール、モウリーニョと、外部から招いた3人が立て続けに失敗しているのだから、足もとを見つめ直すためにもユナイテッドをよく知る人間の起用は当然だよ。ブランがユナイテッドでプレーしていたとはいえ、たった2年でしょ。
ジダンは英語をしゃべられるのかどうかも分からないし、この窮地にプレミアリーグの素人を監督に起用するなんて、混乱するだけじゃん。スールシャールは長い間サー・アレックスの薫陶を受けてきたから、適任のひとりといえるんだけどね」
私のカウンターに、彼は沈黙した(確かな記憶がある)。
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