闘志を高める同世代たちの台頭
同時間帯に行われた神戸とセレッソ大阪の一戦では、来年から後者へ加入することが内定し、JFA・Jリーグ特別指定選手としても登録されたFW西川潤(神奈川・桐光学園2年)が途中出場。右足から放ったシュートがポストを叩くなど、スコアレスドローのなかで見せ場を作った。
「高校サッカーを見ていても、西川選手はすごく技術の高いフォワードだなといつも思っていました。東京ヴェルディの山本選手もそうですけど、自分よりも上手い選手が本当に大勢いる。そういう選手たちが、いい刺激になっています」
久保や2002年の早生まれの西川だけはない。今シーズンから飛び級でヴェルディへ昇格したMF山本理仁や、昨年9月に横浜FCとプロ契約を結んだFW斉藤光毅ら、21世紀に生まれた同世代の俊英たちの台頭が、指揮官からセットプレーのキッカーも任される松岡の闘志を否が応でも高める。
「キックの質をとっても、まだまだなので。もっと練習して、相手が嫌がるようなボールを蹴れるようにならないと。相手を確実に潰せるくらいの体の強さも必要だし、判断力を含めたスピード感ももっと上げていきたいと思っています」
鳥栖は移動用の公式移動着として、イタリアのカジュアル・ブランド『DIESEL』製のおしゃれなジャケットやシャツ、デニムを採用している。松岡が身にまとえば、あどけなさを残すルックスと相まって、ますます普通の高校生に見えてならない。
ただ、華奢に映る体の内側にはプロサッカー選手に必要な向上心と対抗心、そして自らが信じた道をまっすぐ歩ませる覚悟と信念が力強く脈打っている。
(取材・文:藤江直人)
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