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リバプールの矛・マネ、ゴール量産の理由とは? 新たに手にした怖さ、CL制覇のエンジンに

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

先制点を生んだ背番号10の駆け引き

 26分、ファン・ダイクからのロングボールを収めたサディオ・マネ。身体を寄せてくるラフィーニャをブロックしつつ、飛び出してきたマヌエル・ノイアーを見事なターンで交わすと、最後は左足のループシュートを放ち、先制点を奪った。

 マネの動き出しは実に素晴らしかった。ボールが出る直前まではオフサイドポジションにいた背番号10だが、ファン・ダイクがボールを持った瞬間、一度ラフィーニャの目の前に移動し、そのまま身体を回転させ裏に飛び出している。ブラジル人DFからすれば、直前まで視界から消えていたマネが突然目の前に現れ裏のスペースへ走り出すのだから、当然捕まえることができない。ましてやマネのスピードは異次元クラスのものがある。この駆け引きの上手さは、セネガル代表FWの特長でもある。

 貴重なアウェイゴールを奪ったリバプールは、その後もバイエルンにボールを保持された。だが、同チームにとってそれは何の問題もない。カウンターというリバプール最大の強みを生かすには、うってつけの展開だった。

 バイエルンはカウンターを警戒しながら点を奪いに行かなければならないという難しいゲーム展開を強いられた。ただ、そうした状況を打破できるがドイツ王者。失点から13分後、右サイドを突破したセルジュ・ニャブリが素早いグラウンダーのクロスを上げる。これがマティプのオウンゴールを誘発し、同点に追いついた。

 ただ、バイエルンは最低でもあと1点が必要だった。対してリバプールはこのままでも大丈夫という状況。焦るホームチームと余裕を持って対応できるアウェイチーム。メンタル面では、リバプールに分があった。そしてこれは、試合結果にもしっかりと表れることになる。

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