バルサに隙はなかったか
とはいえ90分間のうち、リヨンが優勢に見える時間はあった。バルサは2-0とした後も前に人数をかけ、中盤にスペースが生まれていた。リヨンがいい形で奪った際にはカウンターのチャンスとなり、バルサの守備陣に対応を強いている。1点を奪って気力を増加させたアウェイチームは、ウイングバックが高い位置を取り、前でボールが持てるようになった。
数的同数、もしくは優位のカウンターを繰り出す場面も数回あった。バルサは戻りが遅れるシーンも見られた。バルサとしては手のひらで転がしているイメージだっただろう。事実、そこから盛り返してゴールラッシュで終わっている。それでも、隙を見せたと捉えることもできる。
この日のバルサは試合巧者だったが、勝利という結果がついてきたからこそ。リヨンとは地力に差があった。しかし、準々決勝からはそうはいかないだろう。
バルサは12シーズン連続のベスト8進出を果たした。偉大な成績であり強者であり続けるチーム作りはさすがだ。一方で、ここ3シーズンは準々決勝で足止めされている。昨季はローマと対戦。1stレグを4-1で勝利しながら、2ndレグでは0-3で敗れ涙を呑んだ。
今季も問題は次から。隙を見せたら手痛いしっぺ返しを食らうだろう。果たして、準々決勝でバルサはどのような戦いを見せるか。3月15日の組み合わせ抽選会で次の相手が決まる。
(文:青木務)
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