3月の2連戦でベストパフォーマンスは難しいか
自身の状態を引き上げる明確なシナリオを描いている香川にとって、3月の日本代表2連戦でベストパフォーマンスを示すのはやや難しいかもしれない。
3月末のトルコリーグがトルコ地方選挙のために休止となっていて、日程的に余裕があるため、今回の森保ジャパン初招集はほぼ確実だと見られるが、コロンビア・ボリビア戦でのフル稼働というのはないだろう。コンディションを見ながら、ここまでトップ下のファーストチョイスに君臨してきた南野拓実(ザルツブルク)と併用される可能性が高い。
そして、真の勝負は6月の親善試合2試合と南米選手権(ブラジル)になる。大迫勇也(ブレーメン)など多くの欧州組が招集できないと目される中、香川にはリーダーの1人として若いチームをけん引してもらわなければならない。そのためにも、3月2連戦で森保監督のコンセプトや戦術、戦い方をしっかりと理解し、ピッチ上で実践できる準備をしておくことが肝要だ。
そういう意味でも彼はチャレンジャーとしてこのシリーズにのぞまなければいけない。そうやってガツガツと代表定着に向かっていく30歳のアタッカーが加わることで、新生日本代表も確実に活性化されるに違いない。
コンヤスポル戦の劇的決勝弾で代表復帰とベシクタシュでの地位固めの布石を打った香川真司。彼が初参戦する森保ジャパンの動向、そしてシーズン終盤のトルコでの戦いからますます目が離せない。
(取材・文:元川悦子【イスタンブール】)
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