「そこができるようにならないと難しいよね」
前述のユルドゥルム記者が「ドルトムントで長く試合に出ていなかった」と指摘したことを指揮官も認識していて、「今は90分間フル稼働できる状態にない」と判断しているのだ。
「ベシクタシュに来た時、香川は過去の故障や試合不足の問題を抱えていた。練習や試合を重ねてパフォーマンスが向上してきたけど、まだ90分はムリ。フェネルバフチェ戦も前半45分間は非常によかったけど、後半はパフォーマンスが低下したからね」とギュネシュ監督はストレートに言う。
リャイッチを左に回して香川を中央に置くという共存プランに踏み切らないのも、同じ理由からだという。
「アデム(リャイッチ)も技術や才能が素晴らしい選手だけど、体力が不十分だ。香川とアデムのフィジカル状態が十分ならもちろん一緒にプレーさせることは可能だと思う。2人はボールコントロールや攻撃チャンスを作ることに長けているが、相手からボールを奪うために沢山走らないといけない。そこができるようにならないと難しいよね」とズバリ課題を突き付けたのだ。
こうした厳しい現状を、香川本人もよく認識している。
「1月下旬にベシクタシュに入って、チームが固まっていた部分もあるし、多少なりとも時間が必要だと思います。僕の感じでは、最終的には4〜5月にピークに持って行ける感じはしている。3月の代表まであと1試合しっかりやりきれば、そこからさらに上がっていくんじゃないかと思います」と前向きな見通しを持っているようだ。
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