勝ち続けるために、今すべきこと
さらなるリーグタイトルの獲得を熱望することに加えて、2017年の浦和と昨季の鹿島に続いてACL王者となり、三冠を成し遂げたいという意欲もある。
「両方欲しいと思っています。どちらを優先するという感覚は本当に全くありません」と鬼木監督は語る。「単に両方が“欲しい”という話ではなく、両方“優勝すべき”だということです」とも。
「今の時点で我々はリーグ3連覇を狙うことができる唯一のチームですので、それを逃すわけにはいきません。チームとクラブがより強くなっていくために、リーグでの成功は欠かせない要素です。それに加えてACLは、他の色々なものに繋がっていく大会です。過去2年間は個人的にも色々と嫌な思い出がありますし、選手たちも同じだと思います。そう考えれば、モチベーションはすでに存在しており、モチベーションを高めようとする必要はないと思います」
過去2年間のアジアでの戦いで川崎Fが苦戦を強いられてきた理由は気概の欠如にあると言われていた。魅力的なプレーだけでなく、不屈の精神も身につけることを鬼木監督は選手たちに求めている。
「タフさというのが重要だったと思います。タフさ、感じ方、戦い方。自分たちのサッカーはできていましたが、そういうタフさもなければ勝ち進むのは難しい。今年はそういう面を改善しつつ挑戦していければと思っています」
自分たちのやるべきプレーを目指す姿勢はブレないまま、強い決意を持ち続ける必要があることには谷口も同意している。
「ボールを繋いで、相手陣内で連係してゴールを狙っていくというのが僕らのスタイルです。そこでボールを失っても前に人数をかけてすぐに取り戻そうとする。ずっとそうしてきました」と谷口は語る。
「そういう時間帯をできるだけ長くすることが僕らの生命線です。そこを長くして、ゆっくりでも確実に相手を疲れさせ、そこを狙っていくことです。今季は今のところまだそれが試合でできていないので、そこに取り組んでいく必要があります」
慌ただしいスケジュールの良いところは、修正を施すべき次の試合までさほど待たずに済む点だ。水曜日(13日)には、ACLのグループH初戦、ホームに蔚山現代を迎えた一戦を0-0のドローで終えたシドニーFCを迎え撃つ。川崎Fがタイトルを追い求める戦いを加速させていくには絶好のチャンスとなる。
(取材・文:ショーン・キャロル)
【了】