FWでもトップ下でも中途半端な存在に
今、彼に与えられるもう1つの役割であるトップ下に関しても、ヴォルフがファーストチョイス。本人は「よりボールを多く触れるからやりやすい」とこちらのポジションも前向きに捉えているようだが、トップ下定着の可能性は薄そうだ。つまり、現在の南野はどちらのポジションにおいても中途半端な状況に置かれているのは間違いないだろう。
「監督の中でどういうふうに思ってるか分かんないけど、俺はスタメンで出られる資格があると思うし、それだけの実績は残して来ている。アジアカップに行ったことは関係ないと思います。今の状況には納得できないところがあるし、この悔しい気持ちを試合でぶつければいい。今季公式戦9点というのも満足はしてないですし、重要な試合で何ができるかが一番大事だと考えてます」と彼は苦境を自覚しつつ、懸命に前を向こうとしている。そうするしか這い上がる術はないからだ。
南野の現状を日本代表の森保一監督も多少なりとも心配しているのか、2月下旬からの2週間の欧州視察中には、ザルツブルクまで足を運んでくれたという。
「試合後だったので少ししか時間がなかったんですけど、アジアカップのこととかを話しました。代表でああいう戦いを経験できたのは今の自分にとってすごく大きい。今はあの大会で成長できたことを証明したいって気持ちでいます。
代表というのは自分に自信を与えてくれる場所。代表に呼ばれるようになったことで、チームでも自覚を持ってプレーしなきゃいけないと思うし、そういう責任感は去年と比べるとあります。また代表に呼ばれるように、しっかり試合で結果を残していかないといけないですね」と本人は森保ジャパンでの自身の立ち位置にも危機感を強めているようだ。
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