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Jリーグ 6年前

松井大輔37歳、青天の霹靂だったリベロ起用の真相とは? 晩年に広がる未来への可能性

text by 藤江直人 photo by Getty Images

松井大輔の“マイルストーン”となるか

松井大輔
「プレーの幅が広がる意味では監督に感謝したい」と松井は話す【写真:Getty Images】

 指揮官はどうやら、松井の二刀流をポジティブに受け止めているようだ。ならば、肝心の松井自身はどのように受け止めているのか。ポーランド2部のオードラ・オポーレから加入した昨シーズンは出場9試合、わずか267分のプレー時間に終わった。

 最後に先発した試合は、昨年9月1日の京都戦までさかのぼらなければいけない。選手ならば誰でもピッチに立ちたいと望む。ユーティリティーぶりを身につけた結果として、試合に出られる確率があがるのならば、もちろん歓迎したいと松井も前向きな姿勢を見せている。

「新しく見えるものがあれば嬉しいし、プレーの幅が広がる意味では監督に感謝したい。自分としては面白いと感じたし、(リベロを)やってみたいとは思いますけどね。もちろん最終的には監督が決めることなので、どうなるかはわからないですけど。まずはコンディションを整えながら、次の試合へ向けて準備していきたい」

 ドイツ代表として5度のワールドカップに出場したローター・マテウスは、主戦場をボランチから攻撃的MFに移し、最後はリベロとしてプレーした。日本人選手では浦和レッズ時代は攻撃的MFだった長谷部誠が日本代表で不動のボランチを担い、いま現在はアイントラハト・フランクフルトでリベロとして高い評価を得ている。

 サッカー選手の体に宿る、本人も気づかなかった潜在能力はいつ、どのような形で解き放たれるかわからない。キャリアの晩年に差しかかった松井が未来へ向けて可能性を広げていくとすれば、横浜FCが緊急事態に見舞われた2019年3月3日は、サッカー人生で忘れられないマイルストーンとなる。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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