あの悲劇から何も学ばず
PSGの逆転劇と聞いて、多くの人はあの試合を思い出すのではないか。そう、「カンプ・ノウの悲劇」だ。
2016/17シーズンのCL・ベスト16、1stレグ、対バルセロナ戦。PSGはホームで4-0と快勝を収め、ベスト8進出に王手をかけたようにも思えた。いや、誰もがそう思っただろう。
しかし2ndレグ、舞台はカンプ・ノウ。悲劇は起きる。開始3分にルイス・スアレスにゴールネットを揺らされると、PSGは崩壊。立て続けに失点を喫し、後半ATに突入した時点で1-5となっていた。そして90分+5分、中央からネイマールが浮き球のパス、これをセルジ・ロベルトが合わせ、1-6に。PSGはまさかの大逆転負けを喫し、ベスト16敗退となったのだ。
その当時と現在はもちろん状況が異なる。だが、重なる部分は多い。1stレグで大きなアドバンテージを得ており、2ndレグではどちらの試合も1点はしっかりと返せている。しかし、後半ATに失点し、敗退。原因はいろいろあるだろうが、一つ言える確かなことはあの悲劇からPSGが何も学んでいないことだ。
彼らのCL制覇の夢は儚く散った。リーグタイトルの獲得は問題ないだろうが、この敗退により彼らの今シーズンは「失敗」といったレッテルを貼られてしまうだろう。アル・ケライフィ会長は今、何を思うだろうか。
反対に、苦しいチーム状況のなか、見事勝利に導いたオーレ・グンナー・スールシャール監督の仕事ぶりは見事だと言うべきだろう。彼がマンチェスター・Uを復活させたことは間違いなく、今後の更なる活躍に期待したい。
(文:小澤祐作)
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