またもベイルは…
マドリーにとっては結果も内容も散々な結末となった。試合終盤にはナチョ・フェルナンデスが溜まっていたフラストレーションを表に出し退場処分を食らうなど、ゲームの終わらせ方も最低なものに。王者らしからぬ姿を最後まで晒したまま、会場を後にした。
マドリーはこの試合で計20本ものシュートを放ったが、枠内に飛んだのは8本となっている。さらにそのうちの80%をペナルティエリア内から放っているにもかかわらず、得点はアセンシオの1点のみ。反対にアヤックスは計16本のシュートのうち、およそ38%をペナルティエリア外から放っているのに、4得点も奪っている。決定力の違いが如実に表れている。
また、ここ最近は不調続きでホームのサポーターからブーイングを浴びせられることの多かったベイルはこの日も散々な結果に終わっている。パス成功率はチーム最低の70%。ドリブルの成功率はなんと0%となっている。
先発出場していたV・ジュニオールがドリブル成功率67%を収めていたことからも、ベイルの力不足感は否めない。ボールタッチ数もわずか31回となっており、これは途中交代したV・ジュニオール、L・バスケス、後半終盤にピッチに立ったフェデリコ・バルベルデを除くと最も少ない数字だ。そして試合終了間際には負傷するなど、いよいよウェールズ代表アタッカーは限界ではないだろうか。
ジダン監督が去り、C・ロナウドが去ったマドリー。今シーズンは、彼らの力がなくとも強さを発揮できるということを証明したい1年にしたかったところだが、マドリディスタからすれば早く忘れたい1年となってしまった。ソラーリ監督の立場もいよいよ危ういだろう。
しばらくマドリー周辺の動きは、騒がしくなるかもしれない。
(文:小澤祐作)
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