反撃の狼煙は最後まで上がらず
前半を0-2で終えたマドリーだが、後半も修正された感じがなく、アヤックスの攻めに耐え続けるしかなかった。とくに、アタッキングサードで躍動するタディッチを止められない。前半に生まれた2得点すべてを演出した背番号10は幾度となくボールを収めては、キープしてディフェンスを寄せ付け空いたスペースへパスを流す。アヤックスの攻めはまさにこうした形のものがほとんどだった。
そして62分、自陣でボールを奪ったアヤックスがカウンターを開始。左サイドをニコラス・タグリアフィコが突破すると、ドニー・ファン・デ・ベークへパスが渡る。すると前線へ走り込んでいたタディッチが動きを止め、ファン・デ・ベークと横並びになるようポジショニング。そして、パスを受けた背番号10は左足でボールをコントロールしながらシュートを放ち、これがゴールネットに突き刺さった。
この時点で合計スコアは2-4。マドリーは最低でもあと3点が必要となったが、攻撃陣は相変わらず爆発力を潜める。ルカ・モドリッチが何度か中央エリアを突破しても、前線の選手はアクションを起こさず、結果的にはフィニッシュまで繋げることができなかった。
それ以上にアヤックスの守備陣も集中力を保ち、隙を与えない。こうなれば試合の行方はほぼ決まっていたようなものだ。マドリーがここから3点を奪う可能性は、限りなく低かった。
70分にレギロンのクロスからマルコ・アセンシオが左足を振り抜き1点を返したが、その2分後にラッセ・シェーネのスーパーFKが生まれ1-4に。マドリーに反撃の狼煙は最後まで上がらず、試合はこのまま終了している。
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