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王者・レアルの体たらく。最低な出来でアヤックスに完敗、もはや衝撃ではなく必然の結果

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

前半で2失点。運にも見放される

 さて、リーグ戦での優勝はほぼ不可能、国内カップ戦も敗退と、マドリーに残された道はCLしかなかった。現在同大会では3連覇中であり、4連覇を果たすことができれば、それまでの不振は払拭されると思われた。だが、そのわずかな希望もあっけなく打ち砕かれる。

 CL・ベスト16の2ndレグ、対アヤックス戦。マドリーはアウェイで2-1と先勝しておきながら、本拠地であるサンティアゴ・ベルナベウで1-4の衝撃的な敗北を喫した。いや、もはや衝撃的ではなく、必然の結果だと言えるのかもしれない。

 立ち上がりはマドリーもテンション高く試合に入ることができていた。4分にはルーカス・バスケスからのクロスをラファエル・ヴァランが頭で合わせ、相手ゴールを脅かすなどフィニッシュまで持っていく形も作れていた。

 しかし、マドリーの脆さが出たのは7分のことだった。自陣でスローインを受けたトニ・クロースがデュサン・タディッチにボールを奪われると、そのままペナルティエリア内に侵入され、最後は後方から駆け上がってきたハキム・ジエクにゴールネットを揺らされた。

 先制点を献上したマドリーは、ここからアヤックスの勢いに圧倒される。18分にはタディッチを起点とした攻めを止めきれず、ダビド・ネレスに追加点を奪われた。

 2戦合計スコアで逆転されたマドリーは、もちろん反撃に出る。しかしカリム・ベンゼマにはダレイ・ブリントがピッタリと張り付き、自由を与えず、中盤はフレンキー・デ・ヨングがしっかりと蓋をし、危険なエリアへの侵入を阻むなど、アヤックスの強固な守備を前にし、マドリーの攻撃陣は停滞に陥った。

 内容で後手に回ったホームチームは、運にも見放される。29分にL・バスケスが、35分にはそれまで左サイドで脅威となっていたV・ジュニオールが負傷でプレー続行が不可能となり、交代を余儀なくされたのだ。

 マドリーにとって最大の痛手だったのは、やはりV・ジュニオールの負傷交代。攻撃の形はほぼ同選手から作られており、対峙していたノウセア・マズラウィを翻弄していたからだ。そんな同選手を早い時間に欠いたマドリー。ここから本格的に、崩れていく。

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