魅力のないマドリー。監督の采配にも疑問
世界有数のビッグクラブであるレアル・マドリーは、誰の目にも輝いて見える美しいチームだ。これまでにも数多くのスター選手が在籍しており、バロンドーラーも多数輩出。銀河系軍団と称される彼らには、やはり惹かれる何かがあった。
しかし、今季のマドリーに果たして魅力はあるのだろうか。昨季、前人未到のチャンピオンズリーグ(CL)3連覇を果たした同クラブ。その立役者となったジネディーヌ・ジダン前監督、クリスティアーノ・ロナウドが去った現在のクラブは、深い泥沼にハマり、抜け出せない状況にある。
リーグ戦では現在3位につけているが、首位・バルセロナとの勝ち点差は「12」。よほどのことがない限り、逆転での優勝は不可能だ。コパ・デル・レイでは準決勝まで勝ち上がったが、バルセロナに2戦合計1-4の完敗を喫し、決勝進出を逃した。さらに、2日に行われたリーガ・エスパニョーラ第26節、対バルセロナ戦も0-1で落とし、およそ87年ぶりに通算成績で勝ち越されるなど、不名誉な成績を収めてしまった。
結果だけがついてこない状況なら、まだよかったかもしれない。しかし、現在のマドリーは内容もかなり壊滅的だ。C・ロナウドを欠く攻撃陣は爆発力がなく、奮闘しているのはヴィニシウス・ジュニオールだけ。守備も安定感を失い、簡単に崩れてしまう。
V・ジュニオールやセルヒオ・レギロンといった若手選手の台頭は、わずかに残された希望である。ただ、こうした苦しい状況のなかで、マドリーのDNAを受け継いでいるマルセロをベンチに置き続けるのはどうかと思う。ブラジル人SBの彼がピッチに立つことによって、多少なりとも変化は生まれるはずだが…。
また、不調のギャレス・ベイルを使い続け、イスコにはチャンスをまったく与えないのもいかがなものか。サンティアゴ・ソラーリ監督の采配にも疑問が残る。