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アジア 6年前

本田圭佑を止めた西翼とは何者か? 「無名の男」がアジアで踏み出した大きな一歩

ACL2019初戦、メルボルン・ビクトリー対大邸FCの試合は、1-3で大邸が勝利した。本田圭佑のACLデビュー戦だったが、活躍したのはもう1人の日本人選手・西翼だった。日本では知名度が低い西とは何者か、そして西の起用でいかに本田は封じられたのか。(取材・文:植田路生【メルボルン】)

シリーズ:○○とは何者か? text by 植田路生 photo by Getty Images

大邸の知られざる日本人選手・西翼とは?

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大邸FCの日本人選手・西翼(右)【写真:Getty Images】

 本田圭佑を止めたのは無名と言っていい選手だった。

 AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)2019初戦、メルボルン・ビクトリー対大邸FC。1-1で迎えた後半、メンバー表に「TSUBASA NISHI」と書かれた選手が投入された。TSUBASA NISHIこと西翼の入った大邸は見違えるようにプレーの質が良くなり、2点を追加。メルボルンに逆転勝利した。

 1990年生まれの西はJリーグでのプレー経験がない。専修大学を卒業後の2013年、ポーランドへと渡り、当時4部のKSグバルディア・コシャリンに加入。以降ポーランド国内のクラブを転々とするが、一部でのプレー機会はなし。昨年6月、大邸へと移籍した。大学時代は関東大学サッカーリーグで優勝していることから、知る人ぞ知る選手ではあるが、やはり知名度は高くない。

 試合はホームのメルボルン優勢で進んでいた。本田を中心とした攻撃は大邸を押し込み、何度もチャンスを作る。先制点も本田が起点だった。本田が右のコスタ・バルバルセスに展開すると、中央へ折り返し、オラ・トイボネンが押し込んだ。大邸もすぐに同点弾を入れるが、ブラジル人FWコンビによる個人技でもぎとったもので、チームとしては攻撃の形がままならない状態だった。

 そこで投入されたのが西だった。「前半あまりうち(大邸)がボール持てなかった。もっとボールを持って、もっと散らして、うちがキープする時間を作る。そんな役割で入りました」と西は試合を振り返る。

 後半、試合展開はガラリと変わる。西の起用が当たったのだ。

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