札幌はチーム全体が1つの生き物のようだった
あまりにも素晴らしく、美しいサッカーが展開されていた。面白いように人もボールも動き続け、まるで1つの生き物のようにチーム全体が連係していった。「自分のチームのことを、あまり褒めたくはないが、今日の戦い方、連動性についてはマンチェスター・シティに近いものがある」と自画自賛したペトロヴィッチ監督。特に前半は、あの浦和がほとんど何もできないまま45分間を過ごさねばいけないほどだった。「相手チームには素晴らしい試合になったと思う」と敵将、オズワルド・オリヴェイラ監督も脱帽した。
試合は早々と動いた。前半2分、左サイドのMF菅大輝からのパスを中央で受けたアンデルソン・ロペスが浮き球でFW鈴木武蔵にラストパスを送ると、GKとの1対1を冷静に決めて先制。同12分、18分には華麗なパス回しから決定的なシュートシーンまで持ち込んだ。
さらに27分には中盤でパスカットしたMFチャナティップが長いスルーパスを出し、抜けだした鈴木がゴール左隅に蹴り込み2点目を奪った。その後も札幌はビッグチャンスを作り続け、槙野智章が「もう前半で勝負あったと思います。よく2点でおさまったなという印象と、相手をほめたくないんですけど、素晴らしいボールの動かしと人の動きで、本当に浦和レッズ、ホームで混乱に陥ったと思います」と振り返るしかなかった。後半を無失点で抑えた札幌は2-0で今季初勝利を飾った。