強豪相手にも堂々。チームを救う場面も
冨安が陣取ったのは3-4-2-1とも5-4-1ともいえる基本布陣の右DF。最終ラインのキーマンの1人に託されたのは、今季10ゴールをマークしている相手FWヴェズリー・モラエスを封じること。
アジアカップ準決勝・イラン戦でサルダル・アズムン(ゼニト)を完封した男なら、その役割は十分にこなせるはず。実際、ピッチに立った冨安は、前半から大型FWにしっかりと体を寄せ、危ない場面ではしつこいくらいに間合いを詰めて相手から自由を奪い続けたのだ。
クラブ・ブルージュは攻撃陣3枚が流動的に動き、モラエス以外の選手がペナルティエリアギリギリの位置からシュートを放ったり、中盤や最終ラインからも飛び出してくる人間がいて、攻撃の多彩さは目を引いた。そんな中、STVVの背番号3は冷静に相手の動きを読み、シュートコースを切りに行く。彼の動きでどれだけチームが助けられたか分からないほどだった。
圧巻だったのは、後半17分に長身アタッカーのハンス・ファナケンが完全フリーになった場面。右サイドからDFが崩され、ゴール前がガラ空きになったかと思われた瞬間、冨安が体を投げ出してシュートをブロック。絶体絶命の窮地からチームを救った。
このワンプレーは欧州ビッグクラブの琴線にも触れたのではないだろうか。「今夏の移籍市場では高額の移籍金で5大リーグへステップアップする」と噂される冨安の真骨頂が発揮されたシーンだった。
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