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セリエA 6年前

九死に一生を得たユベントス。ナポリに勝利も内容は散々、CL・アトレティコ戦へ向けての不安

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ロナウドは前線で孤立

 ユーベは前半から、ナポリのプレスの前に思い通りの形が作れなかった。相手の布陣はコンパクトに保たれ、ボールの保持者はすぐに囲まれる。逆に相手にボールが渡ると、なかなか奪い返せない。

 ナポリは選手それぞれが細かく互いのポジションを入れ替え、小気味良いパスワークを展開した。狙いをずらされ、プレスのかけどころが掴めない。相手の速攻も止められない。29分、カウンターからピオトル・ジエリンスキが抜け出し、GKヴォイチェフ・シュチェスニーの脇を抜いて放ったシュートはポストを直撃した。

 そしてユーベは、後半早々にピャニッチを退場で失うことになるのだが、これもナポリにパスで翻弄された後の出来事だったのだ。47分、アランが後方から何のプレッシャーも受けずに前線へ縦パスを放つ。ピャニッチは手を広げてこれをブロックしてしまい、2枚目のイエローカードを受けてしまった。

 これで、数的優位は消滅。するとあとは、ひたすら猛攻を食らうばかりとなった。

 2点をリードされたナポリのアンチェロッティ監督は、ベンチへ回していたドリース・メルテンスを後半頭から投入し、インシーニェと2トップにした上に、システムを3-4-2にし、中盤を厚くしていた。プレスを掛け、細かくパスを回し、サイドを広く使って幅をとるという前半の流れに拍車がかかる。これに対し、ユーベはなすすべもなく翻弄された。

 両サイドを使われ、とりわけ左サイドはインシーニェとジエリンスキに対しジョアン・カンセロがスペースを開けまくる。ピャニッチを退場で失った中盤はパスミスを連発し、ルーズボールをほとんど相手に献上してしまう。

 攻めまくられた結果、ひたすら下がるばかりとなり、相手に攻撃のためのスペースをどんどん与えてしまう悪循環。前線ではロナウドが一人残り、ボールが来ないことにフラストレーションをあらわにする。しかし彼がポツンと浮遊するその傍ら、プレッシャーのかからないナポリのDFラインはパスをつなぎ放題。センターバックのカリドゥ・クリバリに至っては、積極的に攻撃に参加し前線にも上がっていた。

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