ポテンシャルはどこまで開花するのか
「今日みたいに何本もカウンターのチャンスがある中で、1回自分でドリブルで突っ込んでいって、謙佑さんとタイミング合わなかったんですけど、あそこで次はこうしてくれってお互いに試合中言った方が試合前に言うより鮮明に振り返れると思う。
すごい次々とアイデアも浮かんでくるので、自分もしっかり要求してもらった方がやりやすいですし、謙佑さんとディエゴが前に出ている時は、しっかりとアバウトなボールを入れていこうという話ですね」
久保と2トップの一角に入った永井は試合中のコミュニケーションも欠かさなかったという。「アバウトなボールを入れていこう」といった要求は永井からされたものであることから、周りの久保に対する信頼は絶大だと言えるだろう。すでに優れたパスの出し手として認められている証拠でもある。
そして久保の「試合中言った方がすごい次々とアイデアが浮かんでくる」「要求された方がやりやすい」といったコメントからは、すでに2トップを生かす司令塔のような才能が目覚めているようにも思える。規格外のポテンシャルを秘める17歳だが、そのレベルは一体どの次元にたどり着くのだろうか。
川崎F戦、湘南戦と久保は試合を重ねるごとにプレーの質が上がっているようにも思える。昨年は悔しい思いを残したままシーズンを終えることになったが、今季はその悔しさをバネにし、大きく羽を広げてもらいたいところだ。
次のリーグ戦は10日、ホーム開幕戦となるサガン鳥栖とのゲームだ。相手にはフェルナンド・トーレス、イサック・クエンカら世界を知るプレーヤーが在籍しているが、彼らを驚かせるような活躍を見せたい。そして何より、青赤に染まったスタジアムで大歓声を巻き起こしたいところだ。
(取材・文:小澤祐作)
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