パスを呼び込み続ける
左サイドでプレーした開幕戦とは異なり、サガン鳥栖をホームに迎えた今節でダビド・ビジャは最前線に入った。左からゴールに向かうプレーが得意な元スペイン代表はこの日もそちらに流れつつ、中央の位置で相手に脅威を与えている。
動きに無駄がなく、それでいてチャンスと見るや一瞬にしてギアを上げていく。開始早々の2分、神戸は古橋亨梧が左サイドで受ける。対応に来た相手を剥がせれば中にクロス送れる状況だったが、ビジャは走り込んでいない。チームとしてボックス脇で起点を作り、そこから崩す狙いがあったのかもしれない。実際、古橋はタメを作るとサポートに来たアンドレス・イニエスタとのワンツーから抜け出そうとした。
11分、セットプレーが流れて神戸はボールをキープしながら後ろに下げる。鳥栖の守備陣がラインを上げると、ビジャがゴール前中央から右側へ走る。後方から飛んできた味方のフィードに右足ボレーで合わせた。シュートはわずかに外れたが、抜け目ない動きだった。14分には、ボールを運んだダンクレーの縦パスをCB間でビジャが受ける。激しいマークをかいくぐり、ミドルシュートに持ち込んだ。
その後もビジャは味方のパスを誘導し続ける。特にダンクレーは常に縦を狙っており、彼のパスからビジャがヒールで流し、西大伍が走り込むというシーンも生まれている。
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