新天地での滑り出しは順調
実に新入り感のない新入り選手。
とは、今年の冬、フランスのリーグ・アンのトゥールーズに入団した昌子源だ。そしてもちろんこれは褒め言葉。というより、1月19日にデビューしてまだほんの約1ヶ月で、すでに2、3年このチームでプレーしている選手かのようなこの存在感はさすがというか、おどろきにさえ価する。
腕を伸ばして仲間に指示を飛ばしたり、終盤、あからさまな時間稼ぎをする相手選手に手首を指差しながら牽制しに向かっていく姿を見ていると、「キャプテンマーク巻いてたっけ?」と錯覚を起こしそうだ。
「すでにショウジはチームに必要な選手だよ。もちろん、これまで彼がやってきたプレーとの違いはあるだろうし、コミュニケーションなどこれからもっと磨きをかけていく点はあるが、彼には、きっとウチの戦力になってくれる、という確信が持てる」
スタジアムに来ていたサポーターも、1月に入ったばかりの選手だ、などということはすっかり忘れている感じで、もう昌子の先発イレブン入りは当たり前、といった口ぶりだった。
これまでのキャリアを鹿島アントラーズ一筋でプレーしてきた昌子にとっては、海外はおろか初めての移籍だが、新天地での出場機会は…などという心配はひとまず無用。文字通りの「即戦力」として、デビュー戦以来、1ヶ月の間にフランスカップ戦2試合を含む8試合にフル出場している。
アラン・カサノバ監督も「昌子はこのリーグでプレーする素質のある選手であること十分に発揮し、このクラブが彼をリクルートしたことは間違いでなかったことを証明してくれている。彼は非常に才能のあるディフェンダーで、配球にも優れたレベルの高い選手だ」と満足げで、昌子の新天地での滑り出しは順調だ。