カーディフ・シティ
カーディフ・シティの胸スポンサーはスルタン・イブラヒム・イブニ・アルマーハム・スルタン・イスカンダル・アル・ハジ【写真:Getty Images】
【胸スポンサー】
スルタン・イブラヒム・イブニ・アルマーハム・スルタン・イスカンダル・アル・ハジ(2015年?~)
【業種】
マレーシア・ジョホール州のスルタン(王様)
カーディフのユニフォームに「Malaysia」や「Visit Malaysia」など、明らかに国名とわかるロゴが掲げられ始めたのは2011年から。なぜなら2010年にクラブを買収してオーナーとなったヴィンセント・タン会長が中華系マレーシア人だから。
しかし、母国の観光産業振興が目的と見られるロゴの掲示に、マレーシア政府観光局が資金を出していたのは最初の1年だけだったという。そして、なんと今季と過去3シーズンの出資者はタン会長の地元ジョホール州の首長、スルタン・イブラヒム・イブニ・アルマーハム・スルタン・イスカンダル・アル・ハジ氏(長い!)だったことが明らかにされている。
要はジョホール州の王様がカーディフにお金を出していたということだ。その額、3年で300万ポンド(約4億4000万円)にものぼるとか。5年ぶりにプレミアリーグ復帰を果たした今季もそれなりの額を出資しているはず。
ちなみにタン会長、かつて地元メディアにこんなことをぶっちゃけていた。
「カーディフ・シティは『Visit Malaysia』のロゴを何年もユニフォームに掲げてきたが、マレーシア観光局が支援してくれていたのは1年だけだ。しかもディスカウントされた額で。私はマレーシア人で、自分の国を愛している。だから『Visit Malaysia』のロゴを変えるつもりはないし、ジョホール州のスルタンもこの道を維持したがっている。
私はマレーシア観光局がルイス・スアレスと契約しているのを知っている。だが、彼がマレーシアの大使であることを言って回るとは、私は思わない。我々はプレミアリーグに参戦していて、世界中では48億人の視聴者が見ているのだから、その方が自分たちの国を宣伝するのにはいい方法だ」
かつてクラブカラーを伝統の青から赤に変え、エンブレムの青いツバメも中華圏で縁起が良いとされる赤い龍に挿げ替えるなど、ファンの反感を買ったタン会長。「スポーツ界最低のオーナー」とも称されたが、クラブカラーもエンブレムも元に戻し、改心したのだろうか。それにしても、王様は太っ腹である。
【了】