次は、どのような驚きを日本のサッカーファンに与えるのだろうか
長谷川監督は会見中、昨年記者から、久保が試合に出ることで他の大人の選手が彼のカバーをしなければいけないのではないかという趣旨の質問を受けていたと話した。それに対し「1年たって、みなさんがびっくりするくらい変わった。それはキャンプ当初、意欲という部分も変わっていましたし、練習試合を通して1試合ごとに彼が成長する姿を目の当たりにして十分いけるんじゃないかと思いました」と、今年は手ごたえを感じていたことを明かした。
続けて「こんなこと言ったらあれですけど、堂安(律)のヨーロッパに行く前のぐらいのレベルまできているなと。だから今後Jで経験を本当に順調に積んでいけば、またワールドユース(U-20ワールドカップ)なんかで刺激を受ければ、すぐまたヨーロッパから声がかかるんじゃないかなと。そのくらいの今、もうすでにレベルに来ているのかなと思っています」という衝撃的な言葉で会見を締めた。
今や日本代表で確固たる地位を築き、ビッグクラブへの移籍も噂される、かつての教え子の名前まで出して久保の現在地を示したのだ。この言葉でさらに報道陣は色めき立ち、試合後の17歳への取材はさらに熱を帯びたものになった。
それほどまでのインパクトを王者相手に77分間で残したが、当の本人は「欲を言えばもうちょっと前で絡んで、もっと相手を脅かすようなプレーをしたいなと思っていましたけど、押し込まれる時間帯が多い中で、及第点のプレーだったかなと思います」と冷静そのもの。その姿に大器の片りんを感じずにはいられなかった。
注目の次戦は3月2日(土)、16時からの敵地・湘南ベルマーレ戦。次は、どのような驚きを日本のサッカーファンに与えるのだろうか。
(取材・文:下河原基弘)
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