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Jリーグ 6年前

久保建英、大人への過程で掴んだもの。最大のインパクトは進化の証、日本中に示した片鱗

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

昨年までは難しかったであろうプレー

 自陣右サイドで川崎DF車屋紳太郎がドリブルを始めると、久保は体を入れて前進を阻みボールを奪い取る。J最高クラスの左サイドバックを1対1で守り切るという昨年までは難しかったであろうプレーを見せると、そのままドリブルで持ち上がりスルーパスを出した。相手GKチョン・ソンリョンに間一髪で阻まれたが、年齢的なことも含めて、やや苦手と思われていたフィジカル、そして守備でも十分に戦う力があることを証明した。

 急激な成長を見せる同僚に、MF東慶悟は「建英は能力もすごくあるが、今年にかける思いもキャンプから感じていた。本当に頼もしい選手」と目を細めた。さらには41分の右サイドでのFKの場面では、久保に直接ゴールを狙うことを提案していたことも明かした。背番号15は、味方からも信頼を受ける存在になっているようだ。

 そして、その上を行く発言で報道陣を驚かせたのが、普段は辛口な長谷川健太監督の大絶賛コメントだった。久保の評価を求められると開口一番、「素晴らしいの一言だと思っています」と言い切った。

「前半風下でなかなかボールが落ち着かない、どこかでためを作らないと、自分たちの時間を作れないと思っていた。東の所でためができて何回かシュート場面まで行ったりもしましたけど、時間とともに建英のところでためが、時間を作れることができて、非常に相手にとっていやな攻撃を仕掛けることができたと思っています」と若き天才を中心に攻撃が組み立てられていたことを明かした。

 さらに「前半も何回か風下というのをうまく利用しながら、相手の背後にいいボールを供給してくれたと思っていますし、交代するまで守備の穴をほとんど作らなかったという部分では、非常に昨シーズンからの上積み、成長を皆さんにお見せすることが彼自身できたのではないかなと思っています」と、オールラウンドの働きでチームに貢献していたことを認めた。

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