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Jリーグ 6年前

C大阪の新たな希望、舩木翔。人生初の右サイドで躍動…J1デビューで見せつけた進化

text by 舩木渉 photo by Getty Images

東京五輪へ。勝負の1年が始まる

舩木翔
舩木翔は2017年のU-20ワールドカップで2試合に出場。だが満足いくプレーを見せることはできなかった【写真:Getty Images】

 彼を初めて取材したのは2017年のU-20ワールドカップでのこと。当時はプロ1年目ながら、ルヴァンカップですでにトップチームの公式戦にも絡んでいた。しかし世界の舞台では課題だった守備面の拙さを突かれ、2試合のみの出場で力不足を噛み締めながら帰国した。

「自分に足りているところと足りていないところは、ワールドカップに出てこうやって世界と真剣勝負をしないとわからないことだったので、本当に自分にとっては意義のある大会でした。何もかもが自分にとってはいい経験で、今まで世代別代表とかも全然入ったことがなかったので、こういう大会を経験できたからこそ、そこに対してやらなければいけないことが、自分では明確にわかりましたし、今でも全然足りていない、人よりやらなければいけないと絶対にわかったので、これから毎日が勝負だなと思います」

 決意のこもった目でそう訴えかけてきた青年は、約2年かけて自力でJ1まで上り詰めてきた。昨年は森保一監督が率いるU-21日本代表に初めて招集されたタイミングで怪我をしてしまい、無念も味わっている。だからこそ東京五輪まであと1年ということを考えても、舩木の今年にかける思いは強い。

「今まで五輪代表に呼ばれた時も怪我をしてしまったし、(森保)監督的には、それもあってちょっと呼びにくいというか、やっぱりもっと自分がインパクトを残して、今までの五輪代表になかったプレーを出していければ、また代表にも呼ばれると思うし、東京五輪に向けて自分はそこを意識してやってきている。やっぱり目に見える結果を出し続けることができれば、監督も呼んでくれると思うので、もっとゴールに貪欲にとか、アシストしたりとか、そういうところはこだわってやっていければいいと思います」

「まずは試合に出て、ピッチに立たせてもらうことが大事だと思うし、そこは練習からみんなこだわってやっているし、監督が代わって自分にはチャンス。もっと貪欲に。セレッソは最近若手が全然出てきていないので、自分がもっとそういう選手になっていけるように。それで昔のキヨくん(清武弘嗣)だったり(柿谷)曜一朗くんみたいな存在になっていければいいかなと思います」

 デビュー戦の自己評価は低く「全然クロスもあげられなかったし、シュートも打てなかったのでまだまだ自分は全然」と、悔いも残る。とはいえ自信になる成果も課題も見つかった。セレッソ生え抜きの星は、ロティーナ監督の指導を貪欲に吸収し、どこまで強みを伸ばせるか。燻りかけていた稀有な才能が、再び成長の速度を上げている。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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