2年間補強ができず。火中の栗を拾う人物はいるのか
今シーズン、どのような結末を迎えるかは不明だが、サッリ体制は公式戦43試合を消化した段階で28勝6分9敗。一年目のジョゼップ・グアルディオラ監督(シティ)は27勝9分7敗。サッリが上まわっている。
3シーズン前、シティはリーグカップ4回戦でユナイテッドに、チャンピオンズリーグではASモナコにラウンド16で敗れたものの、グアルディオラを解雇しなかった。チェルシーはコンテのクビを切り、サッリも風前の灯火だ。この違いが、両クラブの現状に直結しているといっても決して過言ではない。
ユナイテッドとアーセナルは四半世紀に渡ってひとりの監督がクラブを掌握し、ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリとトッテナムもマウリシオ・ポチェッティーノは5シーズン目を、リヴァプールのユルゲン・クロップも4シーズン目を迎えている。
こうした事実も踏まえ、要するに《継続性》を重視し、チェルシー上層部は監督人事に当たるべきだ。サッリにまさる人材が在野にいると思っているのなら、業界の事情に疎すぎる。
まして今夏から2年間、補強ができない。19歳以下の選手を獲得する際のルール違反が発覚し、FIFAから重大なペナルティーが科された。チェルシーは上訴する構えだが、処分が覆る確率は極めて低い。また、チャンピオンズリーグの出場権を獲得できなかった場合、数多くの主力が移籍を希望するだろう。
だれが好き好んで《火中の栗》を拾うというのだ。補強ができず、主力が去りかねないチェルシーの監督に立候補するのは、現場復帰に並々ならぬ闘志を燃やすデイビッド・モイーズ、サム・アラダイス、アラン・パーデュー、マーク・ヒューズなど、使いものにならない連中ばかりだ。モウリーニョの再々登板は、直近の仕事から判断するとありえない。