「堂安が欧州へ行く前のレベルくらいまで来ている」
「マリノスへ出て外の世界を知ったことで、子どもだったメンタルがだんだんと大人のメンタルに変わりつつあると思っている。交代するまで守備の穴もほとんど作らなかったし、精神的にもフィジカル的にもすべての面で成長している。今日は素晴らしい、のひと言だった」
頑固一徹な指導で知られ、一定のレベルに達するまではJ1のピッチに立たせなかった長谷川監督をも認めさせた久保の変化。ガンバ大阪監督時代の教え子で、2017年6月にFCフローニンゲン(オランダ)へ旅立ったMF堂安律の名前をおもむろに出しながら、指揮官はこんな言葉を紡いでいる。
「堂安がヨーロッパへ行く前のレベルくらいまで来ているな、と。これからJリーグで順調に経験を積んで、FIFA・U-20ワールドカップでさらに刺激を受ければ、すぐにヨーロッパから声がかかるレベルに来ているんじゃいかと思っています」
久保にとって2度目となるFIFA・U-20ワールドカップは、5月から6月にかけてポーランドで開催される。日本時間25日に行われた組み合わせ抽選会では、U-20日本代表は難敵のメキシコ、イタリア、エクアドルが顔を合わせるグループBに入った。
もちろん来夏の開幕時で19歳になっている、東京五輪に臨む男子代表チーム入りも目指す。2011年度の天皇杯制覇を最後に無冠が続くFC東京にも、主力の一人として何かしらのタイトルをもたらせたい。覚醒の予感を漂わせる逸材を、多忙を極め、嬉しい悲鳴をあげさせそうな日々が待っている。
(取材・文:藤江直人)
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