バルサ復帰報道を完全否定「なぜこのタイミングなのか」
心の変化だけではない。小学生時代からプロトレーナーの木場克己氏に師事し、いま現在に至るまで地道に積み重ねてきた体幹トレーニングの成果。栄養士の助言を受けながら、食生活に施してきたもきめ細かな配慮のすべてが相まっていると、久保を見守ってきた大金社長は目を細める。
「フィジカルもすごく強くなった。昨シーズンだと相手とコンタクトしたときに倒されてしまうこともあったと思いますけど、今日はそうした場面でも負けていなかった。結果を出すために取り組んできたすべてが、いま現在の彼につながってきているんじゃないか、と」
開幕を直前に控えた現地時間14日に、スペイン紙『Mundo Deportivo』が寝耳に水のニュースを報じた。久保が18歳となる今年6月に、バルセロナへ復帰することでFC東京と基本合意した――と断じた一報を、クラブ間の交渉すら存在しないと大金社長は全面的に否定している。
「正直、どうして(この報道)なの、という感じです。なぜ(開幕前の)このタイミングで、こういうニュースが出なきゃいけないのか、と。(18歳になれば)国際間移籍ができる、ということはルール的にも間違いないし、もしかしたらそういう話があるかもしれないけど、現時点で特に何かが決まっている、ということはありません」
久保に限った話ではないが、未来がどうなるのかは、これからのサッカー人生でどのような軌跡を描くかにかかってくる。自問自答を繰り返した末に、現状を打破するきかっけを自力で探し当てた久保はいま、新たなスタートラインに立ったことになる。
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